2019年(平成31年/令和元年)に発生した特殊詐欺の認知件数は1万6851件、被害総額は315億8293万7585円です。
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このページに掲載している数値等は、警察庁の統計資料から出典しています。数値を再利用される場合は、出典元データーをご使用ください。
2019年の被害総額は約315億8千万円
(1日あたり8650万円)
被害金額は前年より約67億円(17.5%減少)、認知件数は993件(同5.6%減少)しているものの依然として高い水準で推移。
認知件数
- 認知件数(総数):1万6851件
- 認知件数(既遂):1万6057件
- 1日あたり:約46件
未遂となった件数は全体の5%弱です。また警察が受理した認知件数であり、家人が気づいて警戒し被害に至らなかった潜在的な件数を含めると、相当数になるかと思います。
被害額
- 被害総額:315億8293万7585円
- 1日あたり:8652万8596円
被害総額を認知件数(既遂)で割った平均では、1件あたり約196万7千円の被害です。
内訳 | 詐欺・恐喝 | 256億7391万1667円 |
キャッシュカード詐欺盗 | 59億0902万5918円 |
検挙件数
- 検挙件数:6817件
内訳 | 詐欺・恐喝 | 5,200件 |
キャッシュカード詐欺盗 | 1,617件 |
検挙人員
- 検挙件数:2861件
内訳 | 詐欺・恐喝 | 2,861人 |
キャッシュカード詐欺盗 | 461人 |
被害(認知件数)の多い地域
下記の5都府県で全体の67.0%を占める。
- 東京都:3,815件(全体の22.6%)
- 神奈川:2,793件
- 埼玉県:1,459件
- 千葉県:1,409件
- 大阪府:1,809件
おもな手口
手口 | 認知件数 | 被害額 |
オレオレ詐欺 | 6,725件 | 117億6千万円 |
キャッシュカード詐欺盗 | 3,777件 | 59億1千万円 |
架空請求 | 3,533件 | 93億6千万円 |
還付金詐欺 | 2,375件 | 30億1千万円 |
キャッシュカード詐欺盗(金融機関などを名乗りキャッシュカードを預かって現金を盗む手口)の被害額が、前年より40億2千万円増え大幅に増加しています。増加率は+212.2%です。
予兆電話は9万件以上
警察庁が把握した全国で発生した「予兆電話」は9万1331件で、このうち東京が2万5558件でもっとも多いということです。
どのような電話?
犯行の前にかかってくる電話で、本人や家族構成、資産状況などを聞き出そうとするもの。犯行グループがターゲットを選別するために行っています。
最初の電話では情報を聞き出すのみで、ターゲットにされた場合は、直後または数日後に別の人間が電話をかけ、事前に聞き出した情報を利用して騙そうとします。また電話だけでなく、事前に郵便物を郵送したあとに、電話をかけてくるケースもあり注意が必要です。
- 役所や公的機関を名乗り、家族構成などを聞き出すもの
- 警察や裁判所、弁護士などを名乗り犯罪に巻き込まれているとウソを伝えるもの
- 金融機関などを名乗り、カードが悪用されているなどのウソを伝えるもの
- 百貨店などを装って電話をかけてくるケースもあります。
10年間の被害状況
2010年から2019年までの「特殊詐欺」による被害総額は約3719億円。これは2019年に完成した「新国立競技場」の総工費のおよそ2.4倍に相当します。(東京スカイツリーだと6基分弱)
この10年で膨大な金額が特殊詐欺によって一般市民から奪われ、暴力団や反社組織などに流れています。
2010年~2019年の推移
被害金額は2014年(平成26年)の約556億円をピークに減少傾向にありますが、認知件数については横ばい状況が続いています。
上記グラフは警察庁の統計情報を元に当サイトで作成したものです。また認知件数については、2018年より「キャッシュカード詐欺盗」が集計に加わっています。