熊(クマ)と遭遇したら。段階別の対処法

ツキノワグマと遭遇したら

遭遇・接近時の対応

「ツキノワグマ」との遭遇を避けることがもっとも大切です。対処方法については、専門家や研究者によって若干の違いがあるようです。

[目次]

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クマと遭遇しないために

クマと遭遇する時間帯は、早朝から午前10時くらいまでと夕方以降が多くなっています。昼間は洞窟や岩陰にいる場合が多いため、油断は禁物です。クマ避けの鈴やラジオなど音のするものを所持して、人間の存在を知らせましょう。ただし確実に寄せ付けないという保証はないそうです。鈴を所持していながらの人身事故も発生しています。

※ラジオの携帯は、クマの気配を気づきにくくするため、推奨しないという意見もあります。また人間を襲う目的、所持している食料を奪うことを学習した熊には、逆効果との指摘もあります。

  • 立ち入り禁止エリアには絶対に入らない。
  • 単独行動はさけ、2人以上で行動しましょう。特にタケノコや山菜採りでは、クマの接近に気づきにくくなりがちです。常に周囲をくまなく確認!
  • 熊の痕跡を見たら速やかにその場を離れる。
  • 川釣りなどでは、水の音でクマの接近に気づかない場合があります。川釣り中の事故は毎年のように発生しています。
  • 風の強い日もクマの気配に気づきにくくなります。
  • クマは夜行性ではありませんが、深夜にも目撃されています。
  • 生息域の道路(高速道路を含む)では、車やバイクとの衝突事故にも注意が必要です。
  • 帰宅したときに、住宅敷地内の庭や納屋などに入り込んでいたクマに襲われたケースもあります。
  • 犬との散歩は避ける。(やむをえない場合はリードでつなぐ)
  • 新しいフンや足跡を見つけたときは、すぐに引き返しましょう。
  • 山へ入ったときは、残飯を必ず持ち帰るようにしましょう(クマに味を覚えさせないため)。
  • お墓参りのお供え物(食べ物)は、持ち帰るようにしましょう。お地蔵さまへのお供え物にも注意が必要です。
  • 夏から秋には柿などの果実を木に残さないようにしましょう。
  • 小熊を見かけたら十分な警戒が必要です。近くに母クマがいる可能性が高く、絶対に近づかないことです。すぐにその場を離れましょう。クマは一般には臆病な性格とされていますが、子育て中のクマは別です。同様に捕獲用のワナにかかった小熊にも近づかないことです。
  • 登山やキャンプ、渓流釣りなどを予定される方は、該当地域の市町村HP、ツイッターなどで出没状況を確認しましょう。メールマガジンやラインで情報発信している自治体もあります。クマ避けの鈴を貸し出している市町村も多くなっています。クマ以外にイノシシなどの危険動物、その他の災害を含む事故のリスクも確認しましょう。

クマの痕跡・クマ棚などに注意

熊の痕跡

クマ棚を見たら生息エリア

クマ棚」はツキノワグマが木に登って栗や柿などの実を食べるとき、枝をたぐり寄せます。このとき折れた枝が木の上に棚のように積み重なった状態です。木の比較的高い場所で、大きな鳥の巣ように枝が集まった状態を見た場合は注意が必要です。(写真は環境省より出典)

熊棚

クマの基礎知識
  • スライド表示(オンマウスまたはタップで停止、スワイプで移動)
  • 写真は飼育されているクマ(メス・2歳半くらい)です。
  • 大きさ・体重
  • 冬眠から覚めたばかりのクマは、空腹のため気性が荒いとされています。また小熊を連れた母熊には、特に注意が必要です。(冬眠に失敗するクマもいます。冬季にも目撃が散見しています)
  • 夏は交尾のため広範囲に移動します。
  • 秋はブナの実などが不作となった地域では、人里まで降りてくるケースが多くなります。最近では豊作でも市街地での出没が目立つようです。ブナの開花(夏ごろ)・結実(初秋)状況は自治体HP、林野庁の森林管理局(東北の場合)で確認できます。

森林に棲む野生動物の中で果実を食べるクマなどは、広範囲に移動するためフンに含まれる種によって、豊かな森づくりに貢献しているといわれています。

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目撃・遭遇したら・・

クマとの距離が十分にある場合

  1. クマがエサを食べている場合は、人間の存在に気づいていない場合が多く、気づかれないように、その場を離れましょう。
  2. 写真撮影しない。レンズを目と思い威嚇してくることがあります。またフラッシュは刺激を与えます。
  3. 出来るだけクマと目を合わさないこと。
  4. クマと目が合ってしまったら、目を離さないこと。優しく見つめる(睨まないこと)
  5. 走って逃げてはダメです。ゆっくりと後ずさりして距離を空けます。この時、最初から声を出してはダメです。背中を見せて逃げると追いかけてきます。ツキノワグマの走るスピードは時速40キロほどで人間の足では逃げられません。
  6. 木に登ることもダメです。クマは木登りが得意です。
  7. 車の中に避難できれば安全です。車内に避難したあとはドアロックを忘れずに。

山間部などの見通しの悪い道路を運転中にクマを見かけ場合、写真を撮るなどで急に停車すると交通事故にあう危険もあります。バイクでツーリング中なども危険な行為は避けましょう。

近づいてきたら・・

  1. クマとの距離で襲われる危険性が高くなる「臨界距離」は12メートル以下、小熊を連れている場合は20メートルと言われています。
  2. 背を向けて走って逃げてはダメです。
  3. 両手を挙げて自分を大きく見せると効果的との意見もあります。(クマは基本的には臆病なため、自分より大きなものが苦手)
  4. とにかく大声を出し威嚇する。食べ物を持っている場合は、少しずつ投げる。また身につけている小銭や財布などを投げ、クマの気をそらす。
  5. 山道では谷側に避難する。クマは前足が短いため、坂を下ることは苦手(山の斜面などを登ることは得意)
  6. クマの接近には「威嚇突進」の場合があり、途中で止まり後退することが多いそうです。クマをさえぎる障害物を探しながらゆっくりと後退する。
  7. クマの視界から隠れることが出来れば、近づくのをやめることが多いそうです。
  8. まわりに棒や石など応戦できそうな物を探す。
  9. 木に登ることはダメですが、街路灯など金属製の支柱で手足を使って登れそうな場合で、体力のある人であれば緊急避難場所のひとつになります。
クマ撃退スプレー

クマ撃退スプレー(youtubeで噴射の映像あり)がもっとも効果が期待でき推奨されています。市販価格は1万円前後と少々高いですが、出来るだけ準備しましょう。噴射するタイミングは、クマとの距離がおよそ5~7メートルまで接近した時です。(噴射距離は9メートル程度)クマが近づく気配を感じた場合、すぐに使えるように誤噴射防止用のストッパーを外しておく必要があります。

襲われたら・・(最後の手段)

  1. 死んだふりは大変危険です。(俗説で効果はありません)
  2. 致命傷となるケガを負わないために、体を団子虫のようにまるめ、両手を首の後ろに組んで後頭部や首を守ります。クマの攻撃は1分程度と言われます。
  3. 体力に自信のある男性であれば、身につけている時計やアクセサリー、ベルト、落ちている石や棒などで抵抗する。このとき目や鼻を狙うと効果的ということです。命に危険がある場合です。防御することが基本です。

登山ナイフや鎌(カマ)などでは、クマに致命傷を与えることは困難です。(危険性を増すリスクが大きい)また刃渡り5.5cm以上のナイフの所持は、銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)違反になることがあります。

熊対策アイテム

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