目撃がもっとも多い種類は
アカシュモクザメ
シュモクザメは、別名ハンマーヘッドシャークと呼ばれるサメで、頭部が左右に張り出してハンマーのよう形(T字型)が特徴のサメです。固有の名称ではなく、メジロザメ目のシュモクザメ科に属するサメの総称です。
[目次]
- シュモクサメの種類と生態
・アカシュモクサメ
(目撃がもっとも多い)
・シロシュモクサメ
・ヒラシュモクサメ - サメとの事故を防ぐ
- 近年の出没情報
・2015年~2022年(2019年を除く)
シュモクザメの種類と生態
シュモクの由来は、T字型の頭部が仏具の鐘などを鳴らす時に使う、「撞木(しゅもく)」に似ていることから命名されています。シュモクザメ科に属するサメは世界中で9種類あり、日本近海に生息するのは下記の3種類です。
- アカシュモクザメ(近海での目撃例が多い)
- シロシュモクザメ(外洋性)
- ヒラシュモクザメ(外洋性)
1-1.アカシュモクザメ
日本近海での目撃例が一番多いサメです。肌と肉の色が赤みがかっていることから、アカシュモクザメと呼ばれています。
特徴や生態、習性
- 体長:最大で全長4メートル30センチくらい
- 体重:最大で150㎏くらい
- 回遊時の速度:1.7km/h程度(獲物を追う時を除く)
- 寿命:30年以上と推定。
- 分布:日本近海では最も個体数が多く、比較的浅い沿岸に生息しています。海水浴場などの浅瀬で目撃されるのは、このアカシュモクザメが多いです。大人が立てるくらいの浅瀬にも出没することがあります。
- エサ:さまざまな種類の魚、カニ、イカやタコなど
- 習性:サメの中では珍しく、数百匹の大きな群れを形成して泳ぐこともあります。
- 性格:基本的には、おとなしい性格。
- 危険度:体長1.5メートル程度以下であれば、危険性は低い。
魚の泳ぐスピード(普段はゆったりした速度?)
危険なホオジロザメは回遊時が3~5km/h、最大速度は35km/hと言われています。その他の魚では、サケが2.7km/h、マンボウは2.2km/h、ジンベイザメは3.1km/h、ヒラメは1.1km/h程度。
泳ぐスピードの速い魚は、カツオが60km/h、マグロは80~90km/h程度と言われています。ちなみに人間(大人)の歩行速度は約4km/hです。泳ぐスピードは速い人で4~5km/h、オリンピック100m選手では6km/hを超えるそうです。
1-2.人への危険性
シュモクザメは人食いサメとして分類されることもありますが、小型(1.5メートル程度以下)であれば、人を襲うことはほとんどありません。2メートルを超える大型では、人を襲うことが稀にあります。しかし基本的には臆病なサメで、ホオジロザメやイタチザメのように、人間を捕食対象として積極的に襲うことはほとんどないといわれています。
事故例としては、2014年と2021年に愛知県豊橋市の遠州灘でサーフィンをしていた男性がサメに襲われる事故が発生していますが、種類は特定されていません。※事故の状況から、アカシュモクザメの可能性。
3.シロシュモクザメ
最大で5メートルにもなる大型のサメです。外洋性のためダイビング中などを除き、浅瀬での遊泳中に遭遇することはほとんどありません。
4.ヒラシュモクザメ
シュモクザメ科としては最大で6メートル以上に達するサメです。人にとって大変危険なサメですが外洋性であることと、個体数が少ない(絶滅危惧種)こともあり、事故例は少ないサメです。
サメとの事故を防ぐ
近年でサメによる人身事故は少ないものの、サーフィンやスキューバーダイビングなどでは、現地の情報を確認し安全対策を行いましょう。また営業中でない海水浴場(開設前と終了後を含む)ではライフセーバー(監視員)も不在で、サメよけネット・防護柵等が設置されない場合もあります。
日本近海のサメ
およそ100種類のサメが確認されています。人に危害を与える恐れがあるサメは下記の種類です。(大きさや分類によって危険度は異なります)
- シュモクザメ(別名:ハンマーヘッドシャーク)
- ホホジロザメ(別名:ホオジロザメ)
- イタチザメ
- オオメジロザメ(熱帯から温帯地域に生息。日本では沖縄などの海で目撃が多い)世界中では人身事故がもっとも多く、危険性が高いと言われています。また河口など汽水域でも目撃されます。
- ヨゴレ
- ヨシキリザメ
遭遇を避ける
- 朝や夕方はサメが出没しやすいため、海に入るのはなるべく避ける。
- ケガで出血している場合は海に入らないこと。また海の中で小便や大便はしない。
サメの嗅覚は100万倍に薄めた血液でも反応するそうです。また数キロ先からでも血の匂いで近づいてくることもあります。(そこまでの嗅覚はないという意見も多くあります。潮の流れや濃度、サメの種類などに影響されるかもしれません) - 光るアクセサリーの装着や目立つ色の服は避ける。サメは色の識別はできないといわれていますが、光るものに反応してエサと間違われることがあります。
- サーフボードで浮いていると、カメなどのエサと間違われて襲われる場合があります
サメの出没場所
2015年から目撃情報を記録しています。
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