2018年の飲酒運転による死者数は201人です。
飲酒運転での事故による死者数は、10年前(平成19年)の434人から半数以下になっているものの、直近5年では200人台前半で推移しています。
※警察庁の交通事故統計の速報値から。数値は修正されることがあります。
飲んだら乗るな!では、防げないことも
酒気帯び運転などで検挙された人、交通事故を起こした人の中には、教職員や社会的な立場のある人、飲酒運転の危険性や事故の怖さを熟知しているはずの警察官などもいます。
お酒(アルコール)は脳の働きを麻痺させ、視力や知覚、運動能力など様々な感覚に影響を与えます。これは運転する前にも起きているわけで、飲んだあとでは理性的な判断が困難になることも少なくありません。
肉体疲労、ストレスもきっかけに!
アルコールの影響だけでなく疲労や体調不良、ストレスが重なることで脳が疲弊し思考混濁(思考錯乱)、自暴自棄に近い行動をとってしまうことさえあります。
勝手な言い訳を考えてしまう・・
それほど酔ってないし・・代行やタクシーはお金がかかるし・・すぐ近くだから・・田舎の道を走るから・・この時間なら検問はないだろう・・仮眠したから大丈夫でしょう・・明日は車で出かけないといけないし・・アルコールは抜けているから・・
飲酒運転の検挙者数
「交通安全白書(内閣府)」によると、2018年に飲酒運転(酒気帯び・酒酔い)で、反則行為として告知された件数は2万6602件です。
検挙されたら!
- 逮捕(勾留)の基準はアルコールの検出量、前歴などによって判断されるようです。ただし酒酔い運転(まっすぐに歩けないなどの酩酊状態。アルコール検出量に関係ない)の多くは逮捕されているようです。検挙基準以下(0.15mg未満)の場合は、運転代行を呼ぶなどの指導されます。繰り返しますが酩酊状態であれば、0.15mg未満でも酒酔い運転で摘発の対象です。
- 乗っていた車は、配偶者や知人などに連絡して運転してもらう、または運転代行業者に依頼することになります。代行業者の値段相場は、2,500円~3,500円(5kmごと|名古屋の場合)です。
- 逮捕されない場合は、略式裁判(後日簡易裁判所に出頭)で罰金の金額が決ります。
罰金の相場は酒気帯び運転で30万~40万円、酒酔い運転の場合は50万~70万円のようです。(いずれも初犯の場合)全額即納です。罰金が払えない場合は、労役で支払うことになります。(金額は裁判所が決め5,000円/日~) - 行政処分は酒気帯び(0.15mg~0.25mg未満)で13点(前歴なしで90日免停)、0.25mg以上で免許取消し(欠格期間2年)。前歴なしでも過去1年以内に違反点数が2点以上あれば累積25点で免許取消しです。2点の違反は駐車違反、速度違反(20km/h以上~25km/h未満)など。90日以上の免許の停止・取り消し処分に該当する場合は、公聴の場で弁明の機会が与えられます。
- 免停期間を短縮(35%~45%)するための講習費用(90日以上は長期講習)は、2日間で25,200円(愛知県警データーから)。
- 免許取消しで欠格期間終了後に、自動車学校で再取得する場合は、25万円~35万円が相場。(期間は1ヶ月~3ヶ月)
- 勤務先からの懲戒処分(公務員は懲戒免職の場合も多い)、配置転換など。公務員の人で懲戒免職の場合、失われる退職金は職位などで異なりますが、定年退職で約2千万円、勤続20~24年で約800万円が平均です。また公的年金なども一部支給停止に。公務員に失業保険はありません。民間企業であっても懲戒解雇の場合は、多くの場合で退職金などの支給はありません。また失業保険の給付も大きく制限されます。
- 失職した場合には・・車や住宅ローンの返済が出来なくなる、家族の生活が破綻、免許を失うことなどで再就職が困難になるなど。
- 失われた時間、失われる社会的信用、失うかもしれない将来への展望、希望、期待、夢はプライスレスです。
昨今の酒気帯び運転事案の報道では、公務員で逮捕された場合は実名報道が多いようです。また懲戒免職処分になるケースも多くみられ、40歳代、50歳代であれば退職金などを含め、失う金額は1千万円以上になるケースも少なくないと思います。さらに再就職も困難が予想され、その後の所得も大幅に減る可能性があります。
飲むなら車のキーを持つな!
飲酒の可能性が少しでもある時は、車のキーを持たないこと!
飲酒運転をしないためには、飲む前に理性的な判断することが大切。お酒を飲む予定、飲む可能性がある場合には、車のキーを持たないことです。 (家に置いて出る。知人に預けるなど)
クルマでいかない、キーを持たない、少しくらい不便でも、お金がかかっても、違反や事故を起こした場合の代償に比べたら、小さい、小さい!
日頃から心のブレーキを強化しよう!
警察庁が公開・配布している「飲酒運転根絶ポスター」です。お酒を飲まれる方は、印刷して掲示しましょう。
- 自宅の玄関、駐車場、車庫などに。
- 会社の机・ロッカー、仕事道具・カバンの中などに。
- 少しくらいカッコ悪くても常に目に触れる場所に掲示。
- “しらふ”の時に飲酒運転の怖さを何度も確認。繰り返し繰り返しの意識付けが、お酒を飲む前、飲んだあとの揺らいだ気持ちにブレーキをかけてくれます。