「免許取り消し」等を受けた
運転者の約9割が家庭や仕事に
大きく影響
免許の取り消しや免許停止処分(90日以上)を受けた違反者を対象にした追跡アンケートによると、回答者の約半数が勤務先からの解雇や退職などの厳しい処分を受け、家庭や仕事に大きく影響した回答は約9割。
[目次]
- アンケート結果と検挙数
- 逮捕・罰則・行政処分など
悪質な場合は逮捕されることも - 免許取り消しを受けた人の声
お酒を飲む人も飲まない人も注意! - 飲酒運転をしない・させない
加害者にならないために。
このページに掲載している数値等(一部をのぞく)は、警察庁・政府統計総合窓口、から出典。
アンケート概要と飲酒運転の検挙数
アンケートの回答は、20代~70代の男性50人、女性8人。(自営業者や無職を除く)
- 解雇または退職:13人
- 降格または減給:8人
- 配置換え:5人
1.飲酒運転をした言い訳
- 捕まらないと思った。
- 少しなら大丈夫だと思った。
- 飲酒から時間がたっており、大丈夫だと思った。
体内からアルコールが抜ける時間は、350mlのビール(5%とし17.5mlアルコール)では、約3時間(体重60キロの場合)です。体質などによって異なります。また体内でのアルコールは90%が肝臓で代謝され、残りの10%が呼吸・汗・尿などで排出されます。
サウナや運動で汗を流したり、睡眠を取ってもアルコールの代謝スピードに大きな影響はありません。睡眠は代謝を遅くするという見解もあります。
2.公務員の場合
アンケートとは別ですが、公務員の場合を調べてみると・・
- 国家公務員:免職、停職、減給(人事院の懲戒指針による)
- 地方公務員:各自治体によって異なる。
公務員は特に法令遵守が求められており、社会的な非難も強い傾向です。前歴がない場合では、おおむね人身事故で懲戒免職、物損などでは諭旨免職(または依願退職を促される)、その他の検挙事案においても厳しい懲戒になる場合が少なくありません。また懲戒処分は、その後の昇進などに大きな影響を与えます。
最近では事故の有無に関わらず、酒気帯び運転で懲戒免職になった事例も多くなっています。
懲戒免職となった場合、退職金は支給されません。失われる金額は年齢や役職・職位等により異なりますが、定年退職で約2千万円、勤続20~24年で約800万円が平均です。
また公務員の懲戒免職は、氏名などが公表(20歳以上の場合)され、再就職も困難になります。さらに民間と違い失業保険はありません。年金においても職域年金相当部分が一定期間支給停止になるなど、極めて重い処分になります。
3.飲酒運転の検挙数
区分 | 検挙件数 |
酒酔い運転 | 490件 |
飲酒0.25mg以上 | 1万4546件 |
飲酒0.25mg未満 | 4765件 |
4.飲酒運転を知りながら酒類の提供
飲酒運転の恐れを知りながら、お酒などアルコール類を提供した場合、運転者と同様に検挙される場合があります。飲食店だけでなく、家族や知人の場合も同じです。
福井県の居酒屋で、飲酒運転の恐れを認識しながら酒類を提供した店主(女性)では、逮捕され罰金20万円、免許取り消し(欠格期間2年)の処分が科されています。(福井新聞記事より引用)
5.飲酒運転を知りながら車を貸す、同乗するなど
お酒を飲まない人も注意!
飲酒運転を知りながら、車を貸したり同乗した場合も、運転者と同じく罰金および免許取り消しなどの行政処分が科されます。
逮捕・罰則・保険など
飲酒運転の中でも「酒酔い」など、特に悪質な場合は逮捕されるケースもあります。不起訴になった場合でも、仕事や生活へ大きな影響を与えます。
飲酒運転の罰則
- 酒酔い運転
違反点数:35点(初回で免許取消3年)
5年以下の懲役又は100万円以下の罰金。
(酒酔いとは、まっすぐに歩けないなどの状態で飲酒量に関係ない) - 酒気帯び運転(0.25mg以上)
違反点数:25点(前歴なしで免許取消2年)
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。 - 酒気帯び運転(0.15mg以上0.25mg未満)
違反点数:13点(前歴なしで免許停止90日)
3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
罰金の相場は酒気帯び運転で20~30万円、酒酔い運転の場合は50万~80万円のようです。(いずれも初犯の場合)
こんなはずじゃなかった・・
免許取り消し処分を受けた人の声
静岡県警が公開している免許取り消し処分を受けた人の声をスライドにしています。
スライド表示(スワイプ)
(タップまたはオンマウスで停止)
▲上記スライドがスマホ等の閲覧で読みずらい人は、下記にテキスト形式で掲載しています。また千葉県警が公開している飲酒運転で事故を起こし、実刑になった人の手記動画も掲載しています。
飲酒運転をした人だけでなく、酒類を提供した人、車両を提供した人、飲酒運転の車に同乗した人にも同等の罰則が科されます。アルコールに弱く普段お酒を飲まない人も、歓送迎会、忘年会、BBQなどのレジャー等で、付き合い程度に軽く飲んだ後、油断して運転してしまうこともあり注意が必要です。また少量であれば影響は小さいものの健康目的に飲む薬用酒、アルコール類の入った食品なども場合によってはアルコールが検出されることがあります。
市販の「マウスウォッシュ」や「入れ歯安定剤」などはアルコール成分が含まれる製品も多く、使用直後には口中に残留するため飲酒の基準値を超えることもあるそうです。(入れ歯安定剤でアルコールが検出され、飲酒運転で検挙されたあと、裁判で無罪になった事例もあります)
飲酒運転での事故
飲酒運転で事故を起こした場合、運転者自身のケガや車の損害に任意保険からの保険金は支払われません。
(搭乗者傷害保険、自損事故保険、車両保険では免責事項として約款に規定されています)
また原則として健康保険からも治療費の給付を受けるが出来ず、経済的に大きな負担を強いられます。
被害者には自賠責保険・対人賠償保険から支払われます
事故の被害者に対しては、自賠責保険または任意保険(対人賠償保険、対物賠償保険など)から保険金が支払われます。
飲酒運転で人身事故・ひき逃げ
死傷事故では実刑となるケースが多くなります。示談交渉も困難であり、極めて重い責任を負うことになります。
加害者にならない為に!
飲酒運転で失われる未来は、
プライスレスです。
お酒を飲む前に冷静な判断!
飲酒運転がなくならない原因のひとつは、お酒を飲んだあとに運転の判断をするためです。(多くの場合は冷静な判断が出来ない状況)
お酒を飲む可能性が少しでもある場合は、車を運転して行かないことが一番です。
また車を運転をする日にお酒の席に誘われた場合は断りましょう。断れない場合は、飲む前に車のキーを知人などに預けましょう。
飲酒後に自分で判断は、絶対にダメです!「酔魔」のささやきを聞く前に判断しましょう。
飲食店向けの簡易チラシ(いずれもPDFで表示・印刷できます)
①は飲食店向けの簡易チラシです。多言語(英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、ベトナム語)を併記しています。高画質ではないため、印刷する場合はA4サイズ(タテ)を推奨します。②と③は警察庁が配布しているチラシです。
- 玄関のドア(内側)
- トイレの壁
- 車のキーを置く場所
- 会社のロッカー
- 駐車場・ガレージ付近
- 飲食店の方は厨房・休憩室など
飲酒運転が心配・不安な人は
スマホの待ち受け画像にしちゃいましょう。カッコ悪いけど、事故を起こしたり、検挙されるよりはいいよね。(画像は愛知県のポスターを使用)