8月から10月はハチの活動が活発になります。毎年スズメバチに刺される事故で、平均15人が亡くなっています。
※死者数は厚生労働省の「人口動態調査」による。(2007年から2016年の平均)
活動が活発になる8月~10月は特に注意が必要です。
スズメバチによる事故を防ぐために
(1)巣を作らせない対策
- 軒下などに巣を作らせない。早めの駆除が大切。
- ペットボトルに、お酒300ml、酢を100ml、さらに砂糖を120グラム程度入れた「女王蜂おびき寄せ駆除ボトル」が効果的。ペットボトルは、ふたを閉め、上部にハチが入れるくらいの穴を複数開け、巣を作りそうな場所にぶら下げます。ペットボトルに入ったハチは、逃げることが出来ずに死んでしまいます。設置するのは6月末までです。
スズメバチが巣を作る場所
- オオスズメバチ:山林や土の中、木の根元など。
※ハイキングや山歩きなどでは巣に気づきにく注意が必要。 - キイロスズメバチ:街中に巣を作ることが多く軒下や屋根裏、床下などに作ります。
- クロスズメ:地中に巣を作ることが多い。
特にキイロスズメバチは、都会でも遭遇することが少なくなく攻撃性も高く注意が必要です。
(2)ハチに襲われない対策
- 長袖で白系の服を着る。黒色は蜂を興奮させ攻撃を受けやすくなります。
- 帽子をかぶる。
- 香水など匂いの強いものを体につけない。
ハチの警戒範囲は種類によって異なりますが、巣から数メートルか10メートルに近づくと刺される危険性が高くなります。
(3)追いかけられたら・・
- 頭と首筋を保護しながら走って逃げる。
- 走りながら急に低い姿勢をとる、方向を変えると、攻撃から逃れることが出来る場合もあります。(ハチは急に視界から消えたものを追うことは少ない)
- 巣から20メートルほど離れると、攻撃するハチの数は約半分になるといわれています。
スズメバチの飛ぶ速度は、20km/h~40km/h。(種類による)
※100メートルを15秒で走る速度が約24km/hです。
(4)もし刺されたら・・
- 刺された場所を水で流しながら圧迫して毒を出す。(口で吸ってはダメ)
- オシッコやアンモニアに効果はない。(俗説)
- とにかく患部を冷やすこと。アナフィラキーショックも軽減できる。
- 早く病院で手当をしてもらう。市販薬なら、抗ヒスタミン剤かステロイド配合の薬を塗る。(薬剤師に相談)
- ハチの毒に対応した虫刺され薬、保冷剤などを準備しておくと万一のときに役立ちます。
最近のスズメバチによる事故
平成29年9月以降に発生したおもな事故
- 10月10日:長野県小谷村の村道付近で、観光ツアー客11人が、キイロスズメバチとみられるハチに刺される。(いずれも軽症)
- 10月5日:三重県伊賀市の「岩倉峡公園」に遠足に来ていた小学生と教員ら4人が「キイロスズメバチ」に刺される事故。(いずれも軽症)
- 10月5日:山形市と山辺町にまたがる「山形県県民の森」で、園児8人がクロスズメバチに刺される事故。(いずれも軽症)
- 10月4日:山梨県北杜市の林道で、野外学習に来ていた小学生ら10人がクロスズメバチハチに刺される。(いずれも軽症)
- 9月23日:東京都港区の芝公園で、子ども6人(3才から9才)と大人5人の11人が、スズメバチに刺される。(いずれも軽症)
- 9月15日:福岡県久留米市の浦山公園で園児(4才~6才)12人と保育士の2人がスズメバチに刺される。(いずれも軽症)
- 9月11日:愛媛県大洲市で電動車椅子に乗っていた女性(87)が、スズメバチに約150ヶ所を刺され死亡。