街頭犯罪率が低下するというデーターから設置されている「青色防犯灯」の効果と有効性
青色防犯灯は、イギリスのグラスゴー市において青色の街灯を設置したところ犯罪が約40%減少したとする事例から、日本でも奈良県警察が奈良市で取り組みを開始。奈良市以外でも天理市、生駒市など県北部の都市を中心に導入が進んでいる。また現在は兵庫県においても多数採用されている。全国では約3万台が設置されている。
防犯率低下に関する根拠
プルキニェ現象(プルキニエ現象、プルキンエ現象)によると、人間の視細胞のは、暗くなるほど青い色に敏感になる。また青色は人間の感情を安定・落ち着かせる働きがあり、犯罪抑止につながるというデーターが根拠。
しかし、イギリスの例では、麻薬常習者が腕の静脈を視認できなくなり、他の地域に移ったことから、麻薬常習者の検挙率に限って40%下がっただけるという。防犯効果については、必ずしも因果関係が明確に立証されていない点に注意が必要。
青色防犯灯の弊害
青色防犯灯の設置には、下記のようなデメリット(欠点)が指摘されている
- 白色光に比して波長の短い青色は雨天や霧の中では、視認性が大きく損なわれる。
- 街灯に多く用いられる白色蛍光灯に比べ、全光束は1/2~1/5に低下(ワット数換算)。このため防犯カメラの効果が損なわれたり、交通事故増加につながる。
また日本の道路は、アスファルトが多いため道路面は黒い。このため青色防犯灯を設置しることで、白色蛍光灯に比べ明るさが著しく低下する場合がある。イギリスの場合、道路が白い石畳であることが多く、日本の道路環境と異なることに注意が必要。
その他データー
社団法人日本防犯設備協会の検証結果では、青色防犯灯について期待されたような利点は認められないという結論に至っている。
また政府の都市再生本部で採用され、2008年から2009年にかけて実施されたプロジェクトでは、青色防犯灯を導入後一定期間を経過すると逆に犯罪が増えた事例も報告されている。